奇跡の血量

血統好きの競馬ファンならすでにどこかで聞いたことがあると思われますが、「奇跡の血量」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
これは映画や小説のタイトルではありません。
競走馬を交配する際の一つの目安にもなる言葉なのです。

具体的には、血統表を見たときに、4代前の祖先の血(6.25%の血量)と3代前の祖先の血(12.5%の血量)が共通となる「インブリード」と呼ばれる状態で、二つの数字を足して同じ血が18.75%になる状態をいいます。
これはわれわれ人間世界ではありえない近親配合ですが、競走馬の世界では通常に行われています。

一般的に近親配合を行うと、身体的に問題を抱えた赤ちゃんが生まれる確率が高くなるといいます。
また気性に問題があったりして、競走馬に適さない馬が生まれてくることもあります。
しかし一方で、祖先の優れた資質を受け継いだ能力を持つこともあり、近親配合をする際には絶妙なバランスの血量を持たせることが一つのテーマとなります。
この絶妙な、ギリギリラインともいえる血量が先ほどの18.75%で、奇跡の血量というわけです。

ただ、この定説は科学的根拠に基づいたものではありません。
数世紀にわたりサラブレッドの生産を手がけてきた人間による経験則に基づいた部分が大きいのです。

ですから根拠と言われるとあやふやなものになってしまうのですが、現実として過去の名馬にはこうした奇跡の血量をもつ馬が多いことも事実です。

もちろん、インブリードが最適の配合というわけでもありません。
5代前の祖先までさかのぼっても共通祖先を持たない馬が、とても高い競争能力を持つことだってあります。
それだけ競走馬の配合は奥深いものであるということがいえます。

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